発達障害について気になっている、すべての方へ


最近、発達障害について頻繁に耳にするようになりました。

私は、保育士として、療育についての興味から、この分野に入りました。

現在、発達障害は先天的な脳の機能障害が原因であることが明らかになり

療育機関も増えてきています。

発達障害について

発達障害は、脳機能(認知)の障害といわれ

親の育て方やしつけが原因ではないとの認識は、すでに広まっていることと思います。

 

大きく3つのグループに分類されます。

ADHD(注意欠如・多動性障害)
LD(学習障害)
自閉症スペクトラム障害ASD(自閉症、アスペルガー症候群など)

 

見たこと聞いたことを理解し、記憶する、過去の経験から適切に対処する

といった脳のさまざまな機能のことを「認知機能」と呼びます。

発達障害があるお子さんの脳にはこの認知機能に、かたよりがあります。

 

そして、認知機能に障害が起こる主たる原因として、

1. 遺伝的なもの  もって生まれた脳機能の遺伝的な素因

2. 環境要因    虐待・いじめなど人間関係で生じるストレス

があるというのが、一般的な見方です。

 

遺伝的とみる考えは、生物ゲノムの塩基配列の表現型の違いから説明されます。

人口の1%以上の頻度で存在する遺伝子の変異を遺伝子多型といいます。

神経伝達物質であるドーパミン、ノルアドレナリンやセロトニンなどの

合成や分解などの代謝に関係する酵素タンパク質の遺伝子DNAの多型変化が、

子供たちの脳の発達に関係することが報告されています。

 

また、環境的要因として、環境汚染物質である

農薬や重金属の水銀、鉛などの影響、

PCB、ダイオキシンなどの環境ホルモン

微量慢性蓄積による影響も指摘されます。

水銀などは、予防接種にも溶剤として含まれていますし

私たちが晒されているジオパシックストレスや電磁波汚染といった

影響がまったくないとも言い切れません。

そして、発症するか否かは、まったくもって未知数です。

 

症状の多様性と診断の難しさもよく言われることですが

それぞれの障害に医学的な診断基準があり、その特徴も異なります。

 

これまで、発達障害の発症原因は不明であると説明されてきました。

一方で、予防について論じている書籍などもありました:

発達障害の原因と発症メカニズム 脳神経科学からみた予防、治療・療育の可能性 [ 黒田洋一郎 ]

アルツハイマーやボケの研究をされている脳神経科学者による

「発達障害の原因と発症メカニズム 脳神経科学からみた予防、治療・療育の可能性」

黒田洋一郎著

こちらの書評より:

「微細なシナプスから疫学まで、最新の脳を巡る科学を集積し、再構築された脳の「共発達」の様相は、発達障害の常識を逆転させ、さらに予防や、脳に沿った正しい療育すら明示する。」

 

発達障害は、どうすれば乗り越えられるのか?

ずっと悩みつつ、親子で試行錯誤しつつ子育てしてきた友人、また自分自身の経験として、

発達障害は周囲の理解によって、かなりの改善が見込めるものです。

生涯教育の振興は時流でもあり、いくつになっても意識的に学び直しをすれば良いと思います。

早期集中療育においては、1970年代から、発達障害の研究が始まり、

シュタイナー療育センターの取り組み、七田式教育など、

療育法や教育法には多くの種類があります。

1987年に発表されたUCLAのロヴァース博士の研究においては、

自閉症をはじめとした発達障害を持つ子どもへの療育への効果が

科学的エビデンスによって証明されました。

週40時間以上の応用行動分析(Applied Behavior Analysis)

に基づくトレーニングを2年以上行った自閉症児

19人中9人(47%)が

普通学校に進学できたというのです。

これに対し、何も療育を施さなかった場合は、

19人中1人(5%)という結果だったそうです。

 

 

ABA(応用行動分析)療法

私が実際、療育の現場で体験して、

確かな効果を実感しているのが、ABA(応用行動分析)療法です。

子どもの発達曲線はご存知のように急勾配を描きます。

脳の小宇宙のシナプスの発達、つまり連携創造には

想像を絶するものがあります。

 

ABA以外の療法でも、成功事例は見てきていますが、

ABAを利用した言葉掛けは、

障害のあるなしに関わらず、

人間の発達曲線の勾配に大いに影響するように思われます。

 

この時期の子育てが終わってしまって

親として、できている部分もありましたが、

苦手分野には、スモールステップで、成功体験

できない課題へのプロンプト出し

褒めるチャンスを逃さない言葉がけ

など、振り返って、一般の子育てにも

もっとABAという魔法を使えばよかったと思う部分もあります。

 

ABA療法について、自閉症療育アドバイザーのShizuさんの書かれた本は

子育て中のすべての親にとって、参考になる内容です。

 

共通の友人、アスペルガーヒーラー アズ直子さんの主催する会で、

お会いしたshizuさんは、物腰の柔らかい素敵なお母さんで

「今の姿が子どものすべてではない」というメッセージで

発達障害を抱えるお子さんと保護者に希望を与え、

笑顔を増やす活動をされています。

 

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー) [ shizu ]


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